X線に残留時間はありません。残留時間があるのは放射線です。スイッチOFFにしますと、X線は発生しません。また、発生したX線は、3メートル離れたコンクリートの壁で吸収されたとしますと、1億分の1秒で消滅します。X線の速度は光と同じで、1秒間におよそ地球の赤道の周囲を7回り半する速さです。
- 利用線すい:診断または治療に用いるため、その広がりを制限された一次X線
- 一次X線 :X線管焦点から直接照射されるX線
- 散乱線 :人体または物体によって散乱されたX線
- 漏れ線量 :遮へい物を透過して漏れてくるX線
X線診療室の画壁等の外側での線量を所定の線量以下にするために、遮へい計算により遮へい後の線量がいくつになるかを求めています。
(その詳細は、平成13年3月12日医薬発第188号 都道府県知事あて 厚生労働省医薬局長通知)
この計算は、仮定した遮へい材料を計算値に入れ、漏洩実行線量(マイクロシーベルト毎3月間)を求めるもので、計算結果が法令の線量限度以下であれば容認されますが、漏洩線量測定時には微弱な漏洩が計測されることがあります。
- X線診療室の天井、床及び周囲の画壁の外側での実行線量は、1週間につき1ミリシーベルト以下。
- 管理区域に係る外部放射線の実行線量は、3月間につき1.3ミリシーベルト以下。
- 院内または所内の病室に収容されている患者が居住する区域の実行線量は、3月間につき1.3ミリシーベルト以下。
- 院内または所内の人が居住する区域及び敷地境界の実行線量は、3月間につき250μシーベルト以下。
中性化しても、コンクリートの成分が変わらなければ、漏洩はありません。しかし、中性化したことにより、コンクリートに剥離やひび割れが生じれば、もちろん、漏えいの恐れがあります。
隙間が6~8mm前後くらいであれば、測定機に顕著に現れるX線の漏洩は認められません。最近の医療福祉施設にあってはバリアフリーがうたい文句になっている今、ことさら沓ずりは敬遠されがちです。また看護の現場ではストレッチャーの出入りに支障をきたすとのクレームが多いのも事実です。床のレベル精度が要求されることや、メンテナンスが悪いと不具合も多くなりますので、ご注意ください。
集合ビルの場合、上下左右に接する画壁は病院診療所の敷地境界の扱いとなり、遮へい基準も厳しくなっています。また、隣人との関係でその場所に立ち入ることができず、画壁等が仮にコンクリートであっても、遮へい能力が測定により確認できないこともあります。そういう場合は遮へい計算上、できるだけ安全となる鉛厚で防護することをお勧めします。
医療法施行規則第30条の22で、放射線障害が発生するおそれのある場所の測定の義務が定められています。この測定では、まずX線診療室の遮へいが確実に行われているかの確認を行い、その測定結果をX線装置備付届に添付し、監督官庁に提出することになっています。
